雑音

かべうちの雑記 / 絵はほぼ版権 / 閲覧非推奨

気が済んだら消す推しの話

 

私には推しがいます。

好きな作品 好きなキャラ 好きなバンド 好きな作家 好きなこと そういうのはいっぱいあるけれど

一人だけ そういう言葉ではどうしても割り切れない大好きな人がいます。

「推し」という言葉を使って誤魔化してきました。

 

今更その人がどんな人かをとやかく書くつもりはないですけど。その人は2次元にいます。魅力と闇と強さと美しさとネタに溢れています。

だけど 当たり前のことなのですが

私はその人のこと 作品で描写されている部分以外の 癖とか喋り方とか

人なら誰しもが持っているはずの情報を何一つ知りません。

 

きっと持っていません。この世にいないのです。それでも私は一人の人間として彼のことが好きでした。

彼が見てきた存在しないはずの景色を見てみたいと思ってしまいました。

余白に隠れている彼の人間らしい抜けた所を知りたいと願ってしまいました。

 

私はその事実にバカみたいに何度も泣いては 癒される為にどんな人なのか想像して

自分の妄想を彼にぶつけているだけではないかと そうやって現実から逃げているのではないかと何度も恐ろしくなりました。

彼の格好を真似をして 彼の行動を真似して それが段々上手くなって 彼の影を追っていろんな場所に行きました。

そしてちょっと憧れに近づいたと自信を持っては

悲しくなってまた泣いてを繰り返し これはとても健康的ではないと思い 2年半経った今ようやくやめる決意をしました。

 

大好きを失うのは怖いです。自分の着たい服の趣味も分かりません。自分の心を安らげる方法もわかりません。

冒頭に書いた 好き はたくさんあったし 趣味もそこそこ持っていたけど

何よりも私は自分が嫌いです。自分を愛する方法がわかりません。

代わりに他のものを優先して 関係を歪めて結果的に壊してしまうことを 今までも何度もしてきました。

自分のことはやっぱり自分で決めなければいけません。

 

でも彼が連れてきてくれた たくさんの出会いとか 体験とか 知識とか

そういうものに私は何度も笑わされて救われてきました。

彼とその周りのことを 悲しい思い出にして 「出会うんじゃなかった」と後悔するのだけは

絶対に嫌でした。

 

近々病院に行って また先生に昔の話とか色々するんだろうけれど

間違いなく私を拗れさせる大きな要因の一つになっている彼のことは 頭を心配されそうなので多分隠してしまうでしょう。

それでもわざわざこんなところに書くのは

他人から見たらどんなにへんてこでくだらなくて聞くに耐えない気持ち悪い話だったとしても

本気で愛した2年半は自分にとって間違いなく本当だったと 自分に言い聞かせたいからだと思います。

 

彼が本当の人間だったら 彼が連れてきたたくさんの出会いもなかったし

ひょっとしたら彼を知ることすらなかったかもしれません。 

彼は0と1でできたデータだけの存在かもしれないけど 替えの効かない事を私にたくさん教えてくれた

それは私にとって間違いなく事実で間違いなく彼はここにいた。いないよりはよっぽど素敵だった。

この世に生まれてきてくれて あなたがあなたでいてくれて 私と出会ってくれて 本当にありがとうと心から思います。

 

お別れして、それだけが原因じゃないですけど、今の私はもぬけの殻です。

もうちょっと傷が癒えたら もう一度、私の推しになってくれませんか。